2009年04月06日

わかりやすい経理実務のレッスンの5回目です。

今回は、「決算とは何か」について説明します。

会社やお店は、何十年間にもわたり継続して存在することが前提になっていますので、一定期間を区切って会社がどれだけの業績を上げているかを把握する必要があります。

この一定期間を会計期間または事業年度といい、通常の会社は1年間になっています。

会社の場合には会計期間を会社の都合で自由に決められますが、個人事業の場合には1月1日から12月31日の1年間と決まっています。

「決算」で作成する代表的な書類として、「損益計算書」と「貸借対照表」があります。

まず「損益計算書」について簡単に説明します。

1会計期間でどれだけ「収益」があり、それに対してどれだけ「費用」を使ったということから、最終的に会社がどれだけ利益をあげたかを計算します。

この計算を損益計算といい、その計算過程をあらわした財務諸表が、損益計算書と呼ばれるものです。この詳細については別の機会に説明をする予定です。

次に「貸借対照表」について簡単に説明します。

会社の財政状態を、資産、負債および純資産の構成状態を、資産は左側に、負債および純資産は右側に記入して表示した書類です。この詳細についても別の機会に説明をする予定です。

「損益計算書」と「貸借対照表」のイメージは下記のとおりです。

torebo.jpg



次回は、「具体的な決算書のつくりかた」について取り上げてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 11:32 | Comment(7) | 経理入門

2009年04月03日

わかりやすい経理実務のレッスンの4回目です。

今回は、経理の仕事を行う上で「経理に必要な知識」について説明します。

経理に必要な知識は次の3つを学ぶことをお勧めします。

「簿記」「税務の知識」「経営会計」

まずは「簿記」の知識ですが、簿記とは、日常の会社で発生するさまざまな取引を、仕分けという技法を駆使して記録し、決算書を作成する技術のことをいいます。

したがって、経理を学ぼうとする人は真っ先に取り組むことをお勧めします。まずは日商簿記3級の簡単なテキストから日常的な経理処理の仕訳について学ばれてはいかがでしょうか。

決算書の作成については、日商簿記2級程度の商業簿記の知識が要求されますが、支店がいくつもある大会社や海外取引が多い会社以外の決算であれば、2級程度の知識があれば会計ソフトを利用して決算書を作成することは可能になります。

つぎは、「税務」の知識ですが、この部分は税法改正があると納税の仕方が変わったり、経理処理の選択方法で納税額がかわったりするので、税理士に任せるか相談をすることをお勧めします。

基本的な事項は、法人税申告・消費税申告の仕方についてのテキストが市販されていますので参考にされてはいかがでしょうか。ただし、これらの本は簿記の知識があることを前提に書かれていますので、簿記の知識が不十分なまま読まれると間違った理解をされることもありますので要注意です。

最後に、「経営会計」についてですが、この分野は経営者、財務担当者、後継者の方はしっかりと学んでいただきたいですね。会社の数字から会社のおかれている状況を読み取り、経営判断を行うためには何が必要かということを学ぶ必要があります。

「経営」の難しいのは実学ですから「これ」といった決まった形がないことです。同業他社の経営を参考にしながら差別化を図り、自社の「最適経営」を計画しなければなりません。

水原会計では、「経営者」「財務担当者」を対象にした経営計画作成支援に力を入れています。さすがにこの分野は会計ソフトに数字を入れたら勝手に結果が出てくるという性質のものではありませんので、税理士としての腕の見せ所でもあります。

次回は、「決算とは何か」について取り上げてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:37 | Comment(10) | 経理入門

2009年04月02日

わかりやすい経理実務のレッスンの3回目です。

前回は「決算書を作成する会計業務」についてのお話しましたので、今回は「経理」の3大業務の残り2つの「税務申告に関する業務」「財務・経営管理に関する業務」について取り上げてみたいと思います。

まずは「税務申告に関する業務」についてです。

決算書をもとに、法人税の申告書の作成をおこないます。法人税は、利益に対して税率をかけることで算出されます。しかし、決算書で算出された利益にそのまま税率をかけるのではありません。

公平の見地から利益にさまざまな調整を施した課税所得という金額に税率をかけて算出することになります。

たとえば、交際費については、企業会計上、事実に関するものであれば費用となります。しかし、法人税の計算上は、税額確保の見地から、資本金の額により一定の金額を超えた分に関しては、費用として認められません。

また、法人税の申告のほかに、消費税に関する業務も重要かつ複雑になってきていますので、正しく理解して、申告漏れや税金の納め過ぎがないようにしてください。

最後は「財務・経営管理に関する業務」についてです。

経営者や経営幹部が意思決定を行い、または経営活動の業績を評価するのに必要な情報を提供するための会計を経営会計(管理会計)といいます。

経営会計をしっかりと行い、経営者が求めている財務・経営管理資料を提出することは、経理の重要な仕事の一つです。

たとえば、決算書や月次決算の分析から自社の強み弱みを分析したり、経営計画の作成を支援したりすることがあげられます。

以上で、「経理」についての重要な仕事についての概略の説明は終わります。

次回は、これまでに説明した経理の仕事を行う上で「経理に必要な知識」について取り上げてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:33 | Comment(9) | 経理入門

2009年03月31日

わかりやすい経理実務のレッスンの2回目です。

「経理」というとなんだか難しそうな感じがしてしまう方も多いかと思いますが、大きく分けると次の3つになります。

(1)決算書を作成する会計業務

(2)税務申告に関する業務

(3)財務・経営管理に関する業務

これらの業務を総称して「経理」といいます。


今日は(1)決算書を作成する会計業務についてのお話です。

会計業務の基本は、毎日のお金の動きをすべて記録整理することです。

お金の動きというのは、実際の「貨幣」「紙幣」だけでなく、小切手や手形の管理や売掛金の回収、買掛金の支払いなども含まれます。

また、従業員の給料からの所得税の源泉徴収、厚生年金や健康保険等の社会保険料の計算や手続き、残業代の計算といった給与計算業務もあります。大きな会社の場合には、給与計算は総務部や人事部でする場合もありますね。

このようにして毎日のお金の動きを1年間分まとめたものが、「決算書」と呼ばれる書類で、株主・債権者(お金を借りたりするため)・国(税金を払うため)等に対して会社やお店の財政状態や経営成績を報告します。

この「決算書」をつくる仕事が経理の仕事の中でも重要なものの一つですね。

決算書」の中でも重要な書類は、「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」と「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」です。

「貸借対照表」は、会社の財政状態を表す書類で、どのくらいの財産があって、どのくらいの負債(借金)があって、過去の利益の蓄積や資本金がどのくらいあるかが書かれています。記号で「B/S」と表記されることもありますが、「バランス・シート」の略です。

「損益計算書」は、1年間の経営成績を表す書類で、どのくらいの売上げや収入があって、売上原価や営業費・一般管理費がどのくらいかかって、差引の結果利益が出た場合には、その利益に対して税金がかかります。記号で「P/L」と表記されることがありますが、「プロフィット・アンド・ロス・ステートメント」の略です。

実際にこれらの「決算書」を作成するためには、単純に1年間のお金の動きを集計するだけではできなくて、減価償却費や前払いした費用の差し引きなどの調整が必要になりますので、簿記の知識をもった担当者か税理士に相談しながら作成します。

最近は会計ソフトが便利になって、毎日のデータを入力するとボタン一つで「決算書」がきれいに印刷できるようになりましたが、それは「正しいデータ」が入力されているという前提が必要です。

「正しいデータ」を入力できるように、このブログではこれから注意するポイントについて説明をしていく予定です。

次回は、「税務申告に関する業務」「財務・経営管理に関する業務」について取り上げてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:25 | Comment(9) | 経理入門

2009年03月29日

経理という仕事は、どの会社やお店でも必ず行われています。それは裏を返せば会社やお店の仕事の中でもっとも大切な仕事であることを意味します。

一方で、毎日の煩雑な業務量や、数字を扱うという仕事の性質から、ぞんざいに扱われたり、敬遠されたりすることが多い仕事でもあります。

しかし、経理が無ければ絶対に会社経営やお店経営は成立しません。「数字は苦手だから・・・」ではすまされなくなっているのです。なぜそうかというと、経済環境が激変し、会社やお店を維持するために必要な利益を確保し、経営を継続繁栄させるためには、経理に強くなければ対応できないからです。

これから経理に必要な知識について連載をしてまりますので、すでに経理を担当されている方だけでなく、これから会社やお店を作ろうと考えられている方、簿記検定を受けようと思っていらっしゃる方もよろしければお付き合い下さい。

次回は「会計業務」について取り上げてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 21:29 | Comment(7) | 経理入門

2009年03月27日

3月31日は、消費税の納入期限ですね。

納める方はなんとなく損した気分になりますが、
売上金額の5%はもともと消費者から預かったお金で
売上原価にかかった消費税との差額を納めます。

この仕組みは、原価率の低い会社ほど売上に対する割合が高くなります。
課税売上高が1000万円を超えた事業主の方は、新しい会社を作り
事業を分割することを考えて見られてはいかがでしょうか。

これは脱税ではなく、合法的な節税方法になります。

ただし会社が増えると余分にかかる経費も発生しますので
綿密なシュミレーションをしないまま安易に会社分割を行うと
消費税納税以上に損をする可能性があります。

顧問先の税理士さんに相談されると良いアドバイスがいただけるはずです。
トレボの読者の方で相談できる税理士がいらっしゃない方は、
水原会計が無料相談いたしますので、お気軽にお問合せ下さい。

個人事業主の方は、「法人成り」することで、会社分割と同じ効果があります。
「法人成り」すると余分な費用がかかりますので、どちらが得かよく考えましょう。

「後悔(こうかい)先に立たず」という慣用句がありますが、
「会社分割」「法人成り」は経営方針の重要な変更ですので
専門家にまずは相談が安心です。
posted by 水原会計事務所 at 00:37 | Comment(12) | 確定申告

2009年03月18日

井の頭公園の桜の開花も間近ですね。

井の頭公園の桜が咲き始めると、吉祥寺の街も賑やかになりますね。

毎年恒例のHANAKOの吉祥寺特集も発売されましたので

初めて吉祥寺を訪れるお客様も増えるのではないでしょうか。

新規顧客をリピーターに変身させることができたら商売繁盛しますね。

でも逆に、悪い印象を与えてしまったら、そのお客様だけでなく

クチコミでそのお客様の知り合いにも広まってしまいます。

忙しいと、ついついサービスの質が低下してしまいがちですが

笑顔を忘れずに接客されていればよい印象を与えることができるでしょう。

美しい桜の季節がやってきますが、目先の売り上げだけを考えずに

新規顧客を増やしてリピーター化するための仕掛けも工夫してみてください。
posted by 水原会計事務所 at 09:52 | Comment(12) | 商売繁盛

2009年03月15日

このゲストブログのお誘いをきっかけに、トレボさんの会社設立をお手伝いしています。

税理士は、司法書士のように会社設立を代行することはできませんが、相談者の事業内容によって最初から会社形態にした方がよいのか、まずは個人事業形態でスタートさせたほうが良いのかアドバイスをさせていただくことはできます。

トレボさんの場合には、店舗や法人のお客様及び公的機関との取引が必要になるので、最初から会社形態でスタートしたほうが信頼を得やすくなるとアドバイスしました。

もし飲食店や美容院などの一般客が相手の商売でしたら無理に会社形態にしないで、個人事業主でスタートさせて、売上規模が一定水準になった段階で「法人成り」した方が有利な場合があります。

特に消費税の納税額が大きくなってきた個人事業主の方は、「法人成り」を検討されることをお勧めします。

今すぐ事業を始められない方でも、お気軽に無料相談にお越し下さい。しっかりとした予備知識を持って準備された方が、独立・開業には有利ですよ。
posted by 水原会計事務所 at 09:30 | Comment(17) | 会社設立

2009年03月13日

トレボのゲストブログを始めてから、ホームページをご覧になった方よりメールでの相談が多く届いています。しかしメールでは質問に対する具体的な内容を記入をせずに、無料相談にお越しくださいとかかせていただいています。

その理由は、世間一般に出回っている税金知識や節税のマニュアル本に書かれている内容は一般論でよければ簡単なのですが、相談者にベストな方法を提案するためには、相談者の具体的な条件をお伺いしないことには本質的なお答えができないからです。

メールと言うのはリアルタイムなものではなく、情報のやりとりをするのには適していません。また電話相談も同じく決算書や会計帳簿などの肝心な資料をみることができないので、これもまた適しません。

やはりお手数でも相談内容の資料を揃えて事務所にお越しいただくのが、的確なお答えをするのに最良の方法のため無料相談の機会を設けております。そのときの内容によってはご自身でできる内容であればポイントのみ説明して終わりになりますが、専門的な計算と書類を揃えないと特例が適用できないような複雑な場合には、概算費用をお伝えして希望者のみ業務を請け負っております。

税理士事務所に相談に行くと相談料がかかるのでないかと警戒されている方もいらっしゃると思いますが、税務署や市役所に相談行くのと同じ感覚で、まずは気軽にお越しいただければ親身なって相談を受けされていただきます。

もちろんメールで無料相談の予約は大歓迎です。その場合は、簡単な相談内容と連絡先電話番号を書き添えてお送り下さい。お待ちしています。

posted by 水原会計事務所 at 23:22 | Comment(11) | お知らせ

2009年03月12日

青色申告申請書の出し忘れはございませんか。

青色申告のメリットはずばり節税です。

主なものとして

(1)青色申告特別控除(10万又は65万)
(2)青色事業専従者給与
(3)貸倒引当金
(4)純損失の繰越しと繰戻し

などがありますが、詳細は国税庁のホームページにあります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告をすることができる人は、 不動産所得、事業所得、山林所得のある人です。

新たに青色申告の申請をする人は、その年の3月15日(今年は3月16日)までに「青色申告承認申請書」を所轄の税務署長に提出してください。

なお、その年の1月16日以後に新たに開業した人は、開業の日から2か月以内に申請すればよいことになっています。

まだ青色申告の書類を出していない事業主の方は、とりあえず申請書を所轄の税務署に提出してください。

この書類は期限までに提出しておかないと、期限後の受付けはしてもらえません。

そうすると税理士としても「節税アドバイス」ができにくくなってしまいます。

今現在利益がでてないからと安心されていると、想定外に利益が出てもうかった時に税金を多く納めることになりますよ。




posted by 水原会計事務所 at 11:26 | Comment(27) | 確定申告