2009年04月27日

わかりやすい経理実務のレッスンの14回目です。

今回は、経理を始めた人が一番頭を悩ませる「仕訳(しわけ」について、簡単に説明したいと思います。

仕訳とは決算書の作成に関わる取引から、勘定科目の動きを漏れなく捉え、決算書の表示形式に従い、勘定科目を左右に振り分けて記帳していく作業を指します。

左右に振り分ける場合にルールがあります。

資産・費用は左側に、負債・純資産・収益は右側に記入します。

簿記の用語では、

左側を「借方(かりかた)」、右側「貸方(かしかた)」と呼びます。

しかし、この言葉自体にあまり意味はありません。このルールは暗記するしかないのです。

ここで注意しなければならないのは、資産・費用の減少は右側(貸方)に、負債・純資産・収益の減少は左側にと決算書の形式とは逆に記入します。

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仕訳を覚えるコツは、とにかく量をたくさんこなすことです。頭で覚えようと思うと右左がわからなくなってくるのですが、不思議なもので多くの仕訳伝票を見ていると自然と右左のルールが見えてきます。まさに「習うより慣れろ」ですね。


次回から、「会計帳簿の流れ」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 17:27 | Comment(11) | 経理入門

2009年04月24日

わかりやすい経理実務のレッスンの13回目です。

今回は「資産・負債・純資産の関係」について、詳しく説明したいと思います。

会社を設立直後の取引を例にとって話をすすめます。

Aさんは、資本金1000万円を出資して会社を設立しました。

次に、会社が銀行から500万円を借りました。

会社にある現金は、資本金1000万円と借入金500万円を足して1500万円となります。

そこでAさんはその1500万円で土地を購入しました。

ここまでの取引を貸借対照表で表現すると、会社にある資産は土地1500万円、負債は銀行からの借入500万円、純資産は資本金の1000万円ですから、次のようになります。

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上の表からもわかるように、貸借対照表では、「資産=負債+純資産」という関係が成り立つことがわかります。

また、負債および純資産はお金をどこから調達したか(資金の源泉)、資産はお金をどのように使ったか(資金の使途)についても読み取ることができます。

よく資本金が1000万円の会社と聞くと、金庫に1000万円保管していると勘違いする人もいますが、資本金1000万円というのは、お金を株主から1000万円調達したということを意味するに過ぎず、必ずしも1000万円の現金を所持しているわけではないのです。


次回から、経理を始めた人が一番頭を悩ませる「仕訳(しわけ」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:29 | Comment(13) | 経理入門

2009年04月23日

わかりやすい経理実務のレッスンの12回目です。

今回から「貸借対照表」について、詳しく説明したいと思います。

まず貸借対照表は、大きく「資産の部」「負債の部」「純資産の部」の3部門に分類し、下記のように表示されます。

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資産」とは、会社が保有している金銭的に価値のあるものを指します。

負債」とは、会社が背負っている債務をさします。

純資産」とは、株主が出資したもともとの資金や、蓄積された利益を指します。


次回は、「資産・負債・純資産の関係」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:45 | Comment(13) | 経理入門

2009年04月20日

わかりやすい経理実務のレッスンの11回目です。

今回は、「損益計算書」の「5つの利益」について詳しく説明します。

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「売上高」から「売上原価」を差し引いたものが売上総利益です。商品や製品を売ることなどで稼いだ利益を表しています。

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営業総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたものが営業利益です。この営業利益は、会社本来の営業活動から生じた利益を表しています。

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営業利益に、営業外収益・営業外費用を加算・減算したものが経常利益です。経常的な会社の活動から生じた利益を表しています。

その企業の収益力を表す指標といわれており、対外的にも最も重要視される利益の一つです。


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経常利益に、特別利益・特別損失を加算・減算したものが税引前当期利益です。

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税引前当期利益から法人税、住民税および事業税などを支払って最終的に残った利益が、当期純利益です。



次回は、「貸借対照表」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 13:35 | Comment(9) | 経理入門

2009年04月16日

わかりやすい経理実務のレッスンの10回目です。

今回は、「損益計算書」の「5つの費用」について詳しく説明します。

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商品や製品の原価が売上原価です。

商品・製品を他社から仕入れている場合には、仕入金額が売上原価になります。

自社で製品を作って販売している場合には、製造原価が売上原価になります。


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商品や製品の販売行為や一般管理活動のために生じた費用をいいます。

販売手数料や広告宣伝費、交際費などの販売費

荷造り包装費や運搬費

役員や従業員の給料や法定福利厚生費などの人件費

その他水道光熱費や交通費、通信費など

営業活動に必要な経費はすべてここで計上されます。


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本来の営業活動以外の活動に要した費用を示します。

借入金の支払利息や株式の売却損といった金融取引によるものが代表的です。


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長期保有を目的とした有価証券や土地の売却損など本来の営業活動以外で、臨時に発生した損失を示します。

営業活動以外の費用という点では、営業外費用と同様ですが、営業外費用が経常的なものを対象としているのに対して、特別損失は非経常的なものを対象としている点でことなります。


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利益に課せられた法人税や住民税、事業税を示します。


次回は、「5つの利益」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:02 | Comment(10) | 経理入門

2009年04月15日

わかりやすい経理実務のレッスンの9回目です。

今回から数回にわたり、「損益計算書」の「3つの収益」について詳しく説明します。

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損益計算書における売上高は、商品・製品の販売、サービスの提供などの、いわゆる本業でどれだけ稼いだかを示すもので、「営業収益」と呼ばれることもあります。

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本来の営業活動以外から発生した収益を示すもので、預金や株式投資からの利息や配当金といった金融取引によるものが代表的です。
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長期保有を目的とした有価証券や土地の売却益など、本来の営業活動以外で、臨時に発生した利益を示すものです。

営業活動以外という点では、営業外収益と同様ですが、営業外収益が経常的なものを対象としているのに対して、特別利益は非経常的なものを対象としている点で異なります。


次回は、「5つの費用」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 09:53 | Comment(47) | 経理入門

2009年04月13日

わかりやすい経理実務のレッスンの8回目です。

今回から数回にわたり、「損益計算書」について詳しく説明します。

「損益計算書」は、3つの収益5つの費用から、5つの利益を表示しています。

一般的な形式は、下記の通りに「売上高」から始まって、最後が「当期純利益」になります。

つまり、1年間の営業成績が、最後だけ見れば利益がでたかどうかを確認できる書類です。

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次回は、「3つの収益」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:41 | Comment(10) | 経理入門

2009年04月10日

わかりやすい経理実務のレッスンの7回目です。

今回は、「具体的な決算書のつくりかた 決算時の業務」について説明します。

復習のために決算書作成のための手順をフローチャートで見てみましょう。

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上のフローチャートのうち今回は後半部分、「決済時の業務」について説明します。

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取引というのは、脈絡もなく発生しますので、仕訳により記録されたものは、勘定科目ごとになとめていかないと、決算書が作成できません。

そこで、勘定科目ごとにまとめた帳面(これを総勘定元帳といいます)を作り、そこに仕訳を転記します。

ここまでの作業で、すべての仕訳は、総勘定元帳に勘定科目ごとに整理されています。

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今度は1年間を経過した時点で、それぞれ勘定科目ごとの合計を算出し、一覧表を作ります。この一覧表を「試算表」といいます。

決算書の基礎資料がここでできあがりです。

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上記までの作業でつくられた試算表から、決算整理仕訳と呼ばれる作業を行います。

そこから、資産・負債・純資産の科目を取り出して貸借対照表を作成し、収益・費用を取り出して損益計算書を作成すれば、決算書の完成です。

日々の取引を会計ソフトに正しく入力しておくことは、経理初心者の方でもコツをつかめば簡単にできます。正しくデータを入力しておくと、「決算書作成ボタン」をワンクリックで決算書が表示されますが、決算整理仕訳の作業が抜けていると、正しい決算書にならないので要注意です。決算整理仕訳ができるようになるまでは、税理士などの専門家にチェックを依頼されることをお勧めします。


さてここまでの連載でおおきな経理の流れの説明は終わりです。

次回からは、より深く「損益計算書」「貸借対照表」について具体的な内容について取り上げたいと思います。




posted by 水原会計事務所 at 09:40 | Comment(11) | 経理入門

2009年04月08日

わかりやすい経理実務のレッスンの6回目です。

今回は、「具体的な決算書のつくりかた」について説明します。

決算書作成のための手順をフローチャートで見てみましょう。

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上のフローチャートのうち今回は、「日々の業務」について説明します。

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簿記はあくまでも決算書を作成することが目的ですから、企業活動で生じる様々な取引の中から、決算書に関係する取引を抜き出します。

具体的には、資産・負債・純資産・収益・費用の各勘定科目に影響を与える行為です。これらの行為を認識することが簿記の第一歩となります。


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取引を認識したら、次は、その取引を「仕訳」という技術で記録していきます。

仕分とは簡単にいうと、決算書を構成する資産・負債・純資産・収益・費用の項目を、決算書の表示形式にならって、右(貸方)、左(借方)と分けていく行為をいいます。


ここまでの流れが「日々の業務」になります。

次回は、「決算時の業務」について取り上げたいと思います。

posted by 水原会計事務所 at 10:10 | Comment(10) | 経理入門

2009年04月07日

水原会計事務所は、三鷹駅南口のジブリ行きバス乗り場のある
「三鷹橋」の横にあります。

マンションの8階にありますので、玉川上水の桜並木を真上から
眺めることができます。

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窓を開けると三鷹駅のアナウンスに聞こえますが、
鳥のさえずりも春らしくて気持ちが和みますね。

武蔵野市と三鷹市のちょうど真ん中にある三鷹駅前事務所で、

会計・経理の相談

新規の会社設立や個人事業から法人化するための「法人成り」の相談

相続・事業継承の相談など


お悩み・お困りのことがありましたらお気軽にお越しください。
初回は無料相談となりますのでご安心ください。

水原会計事務所のホームページはこちらです。
http://homepage2.nifty.com/mizuharakaikei/
posted by 水原会計事務所 at 10:02 | Comment(13) | 事務所から見える風景