2009年06月16日

給与から天引きした所得税・住民税は、翌月10日までに納税することが基本です。

ということは年間12回も、納税する必要があるため事務手間がかかりますね。

そこで常時10名未満の事業所では、申請することに年2回納税にすることができます。

1月から6月までの源泉徴収税額・・・7月10日
7月から12月までの源泉徴収税額・・・翌年1月10日

更に、「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出すると

6月から12月までの源泉徴収税額を翌年1月10日から翌年1月20日に延ばせます。

年末年始の長期休暇を取られる場合には、変更しておくことをお勧めします。

この特例を使う場合には、毎月の給与から天引きして「預り金」としている税金を貯蓄しておかないと、いざ納付期限が来たときに現金不足という状態になりかねませんので要注意ですね。

この特例の届けでに関しては、所得税については所在地を管轄する税務署、特別徴収の市町村住民税の場合は、それぞれの市町村役場が窓口になりますのでお問い合わせください。


posted by 水原会計事務所 at 11:35 | Comment(24) | 経理入門

2009年05月26日

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むさしの 起業・売上拡大支援セミナー
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posted by 水原会計事務所 at 16:14 | Comment(29) | 経理入門

2009年05月19日

わかりやすい経理実務のレッスンの18回目です。

今回は、「経営計画」について、説明したいと思います。

経理の重要な仕事の一つに経営計画の立案資料づくりがあります。

景気が低迷し、軒並み業績が悪化している会社が増えている今こそ、経営計画の重要性が高まっています。

経営計画は、今後、自社がどうあるべきかについて短期(1年)、長期(3年から5年)に渡って検討します。

この計画は、経営者が中心となって作るものですが、根拠となる数字がないことには「絵にかいた餅」になってしまいます。

最初に計画を立てるときには、ある程度の予想でしか作れません。

その後、日々の取引を経理が的確にまとめ、計画と実績の対比を経営者に報告することで会社の実情が明確になります。

なぜ目標の数字に届かないのか、逆に目標を上回る数字になった場合には何が良かったのか検討することができます。

そして次の経営計画をつくるときにフィードバックされて、精度の高い計画を作ることが可能になります。

また、経営計画の大切なところは、多様な価値観をもつ人々を一つの方向に向かわせる力があります。

計画と実績のズレをタイムリーに、誰もがわかる数字で提示することで軌道修正も可能となります。

「結果良ければすべてよし」的な発想で会社は経営できません。必ず世の中全体が不景気な時期がやってきます。

そんな時でも、早め早めに的確な対策が打ち出せれば、厳しい時期を乗り越えることもできます。

そのためにも「経営計画」を効力のあるものにすることが重要です。

つまり経理担当者が正確な情報を、経営者にタイムリーに報告することが継続的に成長する会社には必要なのです。

経理担当者の皆さんは、ぜひ誇りを持って日々の業務に取り組んでいただきたいと思います。



これで「わかりやすい経理実務のレッスン」は終了します。

今後は商売に役立ちそうなことについて書いてみたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:15 | Comment(15) | 経理入門

2009年05月13日

わかりやすい経理実務のレッスンの17回目です。

今回は、「税務調査に対する心構え」について、説明したいと思います。


税務調査は、ある日突然、税務署担当者から事前に電話連絡があり、訪問日時を告げられます。

決算申告を顧問税理士にお願いしている場合には、顧問税理士のところに連絡が入ります。

しかし実際に税務署担当者が訪れるのは調査対象先の企業やお店になります。

税務調査の目的は、申告された決算書が正しいかどうか証拠書類の確認です。

架空取引・経費計上や間違った経理処理で税金が少なく申告されていないかどうかのチェックです。

ですから普段から正しい経理を行って、その記録に基づいて申告していれば何も問題はありません。

毎日の経理業務でしっかりとしておくことは以下のポイントです。

1.年度毎に、すべての書類をダンボール箱に保存しておくこと。

2.書損・訂正・修正は、「なぜ訂正したのか」説明を求められますので、破らないで大きく×(バツ)をつけて理由を書き添えておきます。

3.金庫、机の中等、常時整理整頓し、日常業務に誤りのないようにします。

税務調査というと、つい構えてしまいますが、1日ないし2日で3年分くらいの資料を確認しますので細部まではチェックされません。

ただし、数字にあやしい部分があると徹底的に過去の書類をチェックされます。

経理の手続きや処理の仕方は、年々改正になる部分がありますので、改正前の知識で経理処理をしていた場合に否認されるケースがあります。

税務調査が入ることになって慌てて税理士に依頼しても、決算を過ぎた過去の取引を書きなおすことはできませんので、税務に自信がない場合は早めに税理士に相談されることをお勧めします。


次回は、「経営計画」について取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 11:11 | Comment(11) | 経理入門

2009年05月11日

わかりやすい経理実務のレッスンの16回目です。

今回は、「原始証憑(げんししょうひょう)の種類と保管」について、説明したいと思います。

原始証憑とは、証拠となる書面のことで、取引の事実、内容が間違っていないことを証明する書類をいいます。

具体的には、

請求書

領収書

納品書

見積書

契約書


などを指します。

日常の取引の中で領収書をもらえない場合があります。
たとえば電車・バス乗車賃やお祝い・香典などの交際費などです。

このような場合は、出金伝票などに実際に支払いを担当した人にサインをしてもらい証憑書類として代用します。

これらの証憑書類は、後から探しやすいようにスクラップブックに保管したり、綴りや箱を作って日付順に保管したりします。

保存期間は、税法で7年、会社法では10年の保存義務が定められています。

税務調査は通常、3年分ほど遡って行われますので、必要な証憑書類がすぐに取り出せるように整理して保管しておきましょう。

証拠の書類がないと税務調査のときに売上時期や経費を否認されて税金を追加で納めなければならないこともあります。



次回は、「税務調査に対する心構え」について取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 11:33 | Comment(13) | 経理入門

2009年05月07日

わかりやすい経理実務のレッスンの15回目です。

今回は、「会計帳簿の流れ」について、簡単に説明したいと思います。

会計帳簿には、総勘定元帳、仕訳帳、補助簿がありますが、記帳、転記の順序は下記のようになります。

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会計帳簿の基礎となる補助簿には、主なものとして以下の6種類を使用することが多くあります。

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上記の補助簿の中でも、よく使うもは下記の3つですね。

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毎日行われるすべての現金取引を記帳し、現金取引入出金のつど、現金残高を計算、記帳します。そして、定期的に金庫に保管されている手持ち現金の残高と一致していることを確認し、責任者の検収を受けます。

取引記録の元となった領収書等は日付順に整理し、定位置に保管します。

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当座預金および普通預金を経由して行われるすべての取引を記帳します。1回の入金もしくは支払いが複数に及ぶ場合には、個別に取引内容がわかるように記帳します。

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全社員、役員、パートなど各個人にその企業から支払うすべての給料の明細を記載する帳簿です。源泉所得税、社会保険料や雇用保険料の徴収もこの台帳を作成するときに行います。


次回から、ちょっと難しいけど重要な「原始証憑(げんししょうひょう」について取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:59 | Comment(11) | 経理入門

2009年04月30日

わかりやすい経理の実務レッスン 番外編です。

初めて個人事業を始める方は、通常の生活費と事業のお金の流れが明確にわかるように預金取引について次のポイントを注意してください。

1.預金は事業用のものと、事業外(家事用など)のものとに区別して事業上の取引はすべて事業用の通帳に入金・出金してください。

2.水道光熱費・電話代など自動振り替えする場合には、事業用の預金で手続きしましょう。

3.取引銀行は、都市銀行と信用金庫の2行程度がお勧めです。多過ぎると記帳管理が大変になります。

4.給与の支払時などの引き出しの時は、1円の端数まできちんと引き出して引き出し理由をを通帳に記入しておくと照合の時に便利です。

5.支払方法は銀行振り込みを利用して、後日証拠が残るようにしましょう。

6.現金で回収した売上金も一旦必ず事業用預金に入金するようにしましょう。直接支払いなどに充当すると正確な売上金の記録がわかりにくくなりますので、売上金隠しを疑われてしまうこともあります。

7.当座預金の照合表は大切な証憑書類です。毎月きちんと整理し、ファイルしておきましょう。

この預金取引がきちんと整理されていないと、経理全体が整理されていないのでないかというマイナス印象を税務調査の時に思われてしまいますので日頃から気を付けるようにしてください。
posted by 水原会計事務所 at 11:12 | Comment(10) | 経理入門

2009年04月27日

わかりやすい経理実務のレッスンの14回目です。

今回は、経理を始めた人が一番頭を悩ませる「仕訳(しわけ」について、簡単に説明したいと思います。

仕訳とは決算書の作成に関わる取引から、勘定科目の動きを漏れなく捉え、決算書の表示形式に従い、勘定科目を左右に振り分けて記帳していく作業を指します。

左右に振り分ける場合にルールがあります。

資産・費用は左側に、負債・純資産・収益は右側に記入します。

簿記の用語では、

左側を「借方(かりかた)」、右側「貸方(かしかた)」と呼びます。

しかし、この言葉自体にあまり意味はありません。このルールは暗記するしかないのです。

ここで注意しなければならないのは、資産・費用の減少は右側(貸方)に、負債・純資産・収益の減少は左側にと決算書の形式とは逆に記入します。

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仕訳を覚えるコツは、とにかく量をたくさんこなすことです。頭で覚えようと思うと右左がわからなくなってくるのですが、不思議なもので多くの仕訳伝票を見ていると自然と右左のルールが見えてきます。まさに「習うより慣れろ」ですね。


次回から、「会計帳簿の流れ」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 17:27 | Comment(11) | 経理入門

2009年04月24日

わかりやすい経理実務のレッスンの13回目です。

今回は「資産・負債・純資産の関係」について、詳しく説明したいと思います。

会社を設立直後の取引を例にとって話をすすめます。

Aさんは、資本金1000万円を出資して会社を設立しました。

次に、会社が銀行から500万円を借りました。

会社にある現金は、資本金1000万円と借入金500万円を足して1500万円となります。

そこでAさんはその1500万円で土地を購入しました。

ここまでの取引を貸借対照表で表現すると、会社にある資産は土地1500万円、負債は銀行からの借入500万円、純資産は資本金の1000万円ですから、次のようになります。

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上の表からもわかるように、貸借対照表では、「資産=負債+純資産」という関係が成り立つことがわかります。

また、負債および純資産はお金をどこから調達したか(資金の源泉)、資産はお金をどのように使ったか(資金の使途)についても読み取ることができます。

よく資本金が1000万円の会社と聞くと、金庫に1000万円保管していると勘違いする人もいますが、資本金1000万円というのは、お金を株主から1000万円調達したということを意味するに過ぎず、必ずしも1000万円の現金を所持しているわけではないのです。


次回から、経理を始めた人が一番頭を悩ませる「仕訳(しわけ」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:29 | Comment(13) | 経理入門

2009年04月23日

わかりやすい経理実務のレッスンの12回目です。

今回から「貸借対照表」について、詳しく説明したいと思います。

まず貸借対照表は、大きく「資産の部」「負債の部」「純資産の部」の3部門に分類し、下記のように表示されます。

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資産」とは、会社が保有している金銭的に価値のあるものを指します。

負債」とは、会社が背負っている債務をさします。

純資産」とは、株主が出資したもともとの資金や、蓄積された利益を指します。


次回は、「資産・負債・純資産の関係」について具体的に取り上げたいと思います。
posted by 水原会計事務所 at 10:45 | Comment(13) | 経理入門